文教大学広報マーケティング室の広報プランナーが毎回、キャンパスの研究室等を訪ね、そこの教職員の専門分野や研究テーマを伺いながら、その方の人柄を中心に紹介します。またその名の通り物々交換もします。


by bunkyo_warashibe
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No.010 人間科学部 鎌田晶子 准教授【社会心理学・消費者心理学・認知心理学】

今回はいつもの研究室への訪問と趣向を変えて、越谷校舎12号館内にあるディスプレイショールームでの取材となりました。今回ご登場の先生の主たる研究施設でもあります。
そんなわけで「わらしべ広報プランナー研究室訪問記」の第10回はこの人です。

鎌田 晶子 准教授 (かまだ あきこ)

 【所   属】  人間科学部 心理学科

 【専門領域】  社会心理学 消費者心理学 認知心理学


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インタビューに先立つこと、3時間前。先生がご担当される講義の「市場調査論」の報告発表会があり、人間科学部の学生約50名が6つの班に分かれ、それぞれ文教大学に関わる市場調査の発表を行いました。大学広報、学生食堂、大学キャラクター、キャンパスカフェ、学内コンビニ、誇りを持つための自己理解をテーマに、仮説からグループインタビューや質問紙による調査を経て、結論を導き、大学への改善提案までを行うというもので、私たち広報プランナーとしても、直接に学生の声を聞くことができ、たいへんためになりました。

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そんな講義を担当される鎌田先生に伺いました。

003.gif 「市場調査論」報告発表会にお招きいただきましてありがとうございました。

「各班とも、とても面白いテーマに取り組み、結論の導き方に苦労しながらも、うまく改善提案がなされていたと思います。学生のプレゼンの仕方については、心理学科が開設されるときに重点目標の一つにしていましたので、上手にできることが今では当たり前のようになりました。最初の頃は発表の時に照れなのか、笑ってしまって何も言えないような学生が多かったのですが、最近では度胸が身についてきました。」


◎専門分野は、「消費行動心理学」

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017.gif それでは、まず専門分野についてお聞きします。

「はい。専門分野は『消費行動心理学』で、文教大学に着任してから力を入れています。また、基礎的なところでは『社会心理学』です。」


018.gif 『消費行動心理学』の面白いところはどんなところでしょうか。

「すべて面白いのですが、私は特に心理実験がとても面白いと思っています。何となく、こうなのではないかという仮説があれば、それを実際に統制の取れた条件を作って、計画を立てて実験するのが面白いです。

例えば、以前の卒論ゼミ生が『ディスプレイ(展示)された洋服は魅力的に見える、買いたいと思う』というので、本当にそうなのかを実験で確かめることにしました。条件を統制するために予備実験を何度も行って実験に用いる洋服を選び、その服をマネキンに着せる、ハンガーに掛ける、また、お店風に実際に見せるとか、カタログ風に写真で見せるとか、そういうような条件に分けて実験を行ったところ、確かにディスプレイされた方がより魅力的に見える、という結果が得られました。ちなみにハンガーでは、実際にお店で見るときにはあまり差異がないのですが、カタログ写真となると全くもって魅力が落ちてしまうという結果が現れました。

このように実際に、いつも人々が感じていることを実験で確かめることは面白いです。
また、思い込んでいることが実際は違ったなどということもあります。『商品が多ければ多いほど愛着が湧くし、満足度も高い』と思っていたところ、実際はたくさんの種類から選んだものよりも、少ない種類から選んだものの方に満足度が高い場合があります。そこの検証のために実験をすることが楽しいのです。」



009.gif この「市場調査論」をはじめ、先生がご担当されている科目を選択履修される学生は、実践的な講義の内容をどのように生かしているのでしょうか。

「私が担当している授業で心理統計を学ぶ『データ解析法』があります。この科目は、消費行動を知る上で非常に重要ですが、ここで学んだことを生かしてお店の売り上げに貢献している卒業生がいます。在学時には数学みたいなことやらされて本当に将来に役立の?と、ほとんどの学生は疑問に思うようです。その卒業生は元々接客志望で就職したのですが、たまたま配置された部署で専門の統計ソフトを使ってデータ解析をすることになったそうです。

また、就職活動では面接時のアピールポイントになっているようです。実際に『市場調査論』でやったことを面接の場で話すことができて良かったという学生がいます。」



◎最近の研究テーマは、「単純接触効果」

c0223443_1381064.jpg027.gif では、最近の研究はどのようなことをされていますか。

「最近ですか? 最近はあまり自分の研究らしい研究ができずにいます(笑)。実験となると、すごく時間や手間がかかるのですね。また自分一人ではなかなかできないことなので、他の研究者と共同で行うことも多いです。

それで、最近面白かったことといえば、授業の実験実習で学生とあるデータを取ったのですが、『単純接触効果』というものがあって、単に接触するだけで、人はそのものを好きになってしまうということです。流行歌とかもそうなのですが、歌も単に何回も聴いているだけで、最初は何とも思わなかったものがだんだんと好きになっていきます。ある音楽を1回も聴いたことがないときと、何だか意味もなく10回も聴いたときでは、10回聴いたときの方がその音楽を好きになっているという結果があります。それを授業の中で実験してみようということになって、その結果、ハサミシャープペンを何回も見ていると、確かに買いたくなるという傾向がわかりました。テレビCMはそういう意味で効果があるということです。しかし、花束だけは予想と結果が違いました。花束など、美的感覚に関わることは、何回も見たから好きになったりするという単純なものでないところで好きになったりしているのかと考えています。昨年度に引き続き、今年度も授業の中で条件を変えて実験してみたのですが、今度はまた異なる結果が出まして、更なる実験が必要になったといったところです。

美的感覚を刺激された時のように、感情的に「グッと」くるようなときと、そうでないときとでは、商品選択の心理に違いがあるのではないか、ということが今興味のあることの一つです。

そういう『人は選択肢がどういう時に何をチョイスするのか』という興味のほかにもう一つ関心事があって、『人が人の心をどのように忖度(他人の心中を推しはかること)するのか』という人の心に対する想像にも興味があります。自分はこういう商品が売れると思って作ったけれど、それは自分から見ればこうだけど、相手から見れば違うように見えるかもしれない、ということは相手の心を想像してやりますよね。そのへんがどういうメカニズムでできているのか、どういう状況にあってどう変わるのかということに興味を持っています。」



034.gif 私も仕事上、受験者数が増加するという結果に対してマーケティング的な考え方をしますが、それよりも先生はもっと人間の内面的な、心理的な面に対して興味をお持ちなのですね。

「そうですね。そのことにしか興味がないのです(笑)。そうなので、ともすればそれだけに走りがちなので、できるだけ現実から離れないような研究をしたいと考えています。でも、あまり現実に近づきすぎると自分のやりたいことと違ってしまいますし、難しいところですね。」


◎お宝はなんですか?

c0223443_13134488.jpg037.gif それでは、お宝を紹介していただけますか。

「お宝はこれです。大事にしているというよりも集めているものです。」

「いわゆる『ご当地キティ』のシャープペンなどです。私も出張で地方へ行くたびに買ってきますが、学生も協力して買ってきてくれます。同じものは一つとしてありません。同じ土地でも時期を変えると、また別物が登場していたりして終わりがありません。100本以上あると思います。」



c0223443_13151587.jpg005.gif この中でお気に入りはどれですか。

「このカステラキティです。」

039.gif コレクション第1号は覚えていますか。

「どれだろう? これだけあると思い出せないですね(笑)。でも私もキティちゃん世代としてこれだけ集めると楽しいですね。」

034.gif これを通していろいろな方との繋がりができているのでしょうね。

「そうですね。人との繋がりが宝なのです。」


◎恒例! わらしべの交換です。

c0223443_13213376.jpg042.gif それでは、わらしべの交換をさせてください。まず前回の情報学部の佐野先生からの「USBフラッシュメモリ」です。

「はい。ありがとうございます。へー。セキュリティが施されたものなのですね。初めて見ました。情報のセキュリティ管理は大事なことですからね。」


016.gif では、鎌田先生のものはなんでしょうか。

c0223443_13242288.jpg「えーと。花です。造花なのですが、そう見えないほど鮮やかで綺麗です。ここ数年、お隣のショーウインドウで日常の中での学びをテーマに展示をやっていて、「人間科学をビジュアル表現してみよう」ということをシリーズで実施しています。この造花はその中で装飾に使用した花です。人間科学のお裾分けという意味で次回の方へお送りします。」


043.gif 鎌田先生、ありがとうございました。

次回、この『造花』がどんなものに化けるか、乞うご期待です。
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by bunkyo_warashibe | 2011-02-16 13:27 | 人間科学部