文教大学広報マーケティング室の広報プランナーが毎回、キャンパスの研究室等を訪ね、そこの教職員の専門分野や研究テーマを伺いながら、その方の人柄を中心に紹介します。またその名の通り物々交換もします。


by bunkyo_warashibe
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カテゴリ:教育学部( 3 )

越谷校舎には昔、付属幼稚園(1970~1986)があったのですが、今回ご登場いただくのは、ここの第1期入園生だった方です。前年度まで沖縄の大学で教員をされていました。今年度から文教大学に着任されてわけですが、その境遇にとても不思議な巡り合わせを感じます。今回の「わらしべ広報プランナー研究室訪問記」に登場されるのは、この人です。


c0223443_13232021.jpg 石井 勉 准教授
 (いしい つとむ)


 【所 属】  教育学部
         学校教育課程

 【専門領域】 数学科教育学




◎算数や数学の授業のやり方を教えています

018.gif 専門分野について教えてください。

『数学科教育学』が専門です。基本的には小学校の算数や中学校の数学の授業のやり方を大学生に教えています。わかりやすく話せば、学校の先生たちがやる授業を見て、こうするとうまくいきますよと話をしたり、あるいは私が、こうするとこんな風に面白い授業になりますよとやって見せたりするのが仕事ですとよく説明しています。」


025.gif 「数学科教育学」をご専門にされるには経験も必要かと思いますが・・・。

「前任の大学でも『数学科教育学』を担当していましたが、元々は東京の小学校の全科の教員と中学校で数学の教員をしていました。したがって、実践経験は数多くこなしています。
話は逸れますが、その中学教員の仕事を始めたころ、同僚に文教大学卒の方が何人かいまして、この方たちの印象がとてもまじめで良かったんですよね。だから文教大学に対するイメージの良さは同僚の人柄を通してできあがったものと言えます。実際に着任してみますと、今も変わることなく、そういった多くの学生に接することができます。」



◎最近の研究テーマは「学び合い」

c0223443_13343231.jpg017.gif では、最近の研究テーマについて教えてください。

「私の最近の研究テーマは『学び合いで学校を変革する教員研修の実践的構築』です。教育の究極の姿は、3Hの調和的発達を説いたペスタロッチがしていたような家庭教師であると思っています。しかし、学校は教育効果を高めるために集団での学習を前提にしています。したがって、私たちが考えるべきは、単なる学びでなく学び合いであるべきだと考えます。」


034.gif 今、お話に出たペスタロッチの説く3Hとは何ですか。

ペスタロッチ(1746~1827)はスイスの教育家でルソーの影響を受け、人間の諸能力の調和的発展を教育の目的として実践されました。3Hとは、Hand、 Head、 Heart のことで、頭文字を取ってそう言います。心の教育といえばHeart(心)だし、一般に勉強といえばHead(頭)だし、実際に手を動かして考えるのはHand(手)が必要になります。それらが調和して3Hとなって発達を促すわけです。」


013.gif そうなると、研究テーマの対象は算数や数学だけに限られないことですよね。

「そうですね。算数とかで学び合いを考えると、話し言葉や書き言葉はどうなのかということになって、当然に国語ではどうなのかということになります。また、言語の教育というと、英語にも研究の広がりが出てきます。

現在、日本学術振興会より科学研究費助成を受けていまして、その関係で算数、数学、国語の研究をしていますが、英語はその延長上にあると考えています。英語の研究授業をしてもらったり、他大学の英語の教員を呼んで話を聞いたりしています。ほかに関係のシンポジウムも開催しています。」



◎お宝はなんですか?

c0223443_1338487.jpg038.gif それでは、お宝を紹介していただけますか。

「お宝ですか? 私の専門は数学なので『お宝』について定義してみましょうか?(笑)

まあ、冗談はさておき、お見せできるもので、お笑いタレント『オリエンタルラジオの中田敦士くんのメッセージ付きサイン』はどうでしょうか?」



005.gif これはどういう経緯のものなんですか。

「実は、私は中田くんの担任をしていたんですよ。私はあまりテレビを見ないので、人から聞いた話ですが、彼が『笑っていいとも!』に出たときに『中田くんってどういう人なの?』という話になったそうです。彼は、今はこんなに明るくしているが、昔はとても暗かったと話し、その時のことを象徴する逸話として、中学3年生の時に修学旅行に行ったのだが、自分には友達がいなくて写真の注文をしなかったと語ったそうです。その時、担任の先生に呼び出されて『写真の注文していないのはお前だけだけどいいのか。』と無理矢理買わされたという話が紹介され、その担任の先生に心配してもらったことをとても感謝していたそうです。その時の担任が何を隠そう、私なんです。そんなことで今でも交流がありまして、サインをいただきました。」


036.gif 教員冥利に尽きるお宝ですね。


◎恒例! わらしべの交換です。

c0223443_1345230.jpg012.gif それでは、最後に恒例のわらしべの交換を行いたいと思います。
これが前回、国際学部の藤井先生からいただきました観葉植物のポトスです。

「ええっ、こんなに良いものをいただけるんですか。
ありがとうごさいます。大切に育てさせていだたきます。」



027.gif それでは先生の交換物はなんでしょうか。

c0223443_13471643.jpg粟国島(あぐにじま)の珊瑚と貝殻でいかがでしょうか?

沖縄県粟国村は、那覇の北西50km辺りに位置する絶海の孤島です。周囲5km程度、人口700名位、学校は小学校と中学校が1つになった小中学校がただ1つ、その1学年最小で3名、島で一番多いものはソテツ、島で一番多い哺乳類は山羊、産業はキビ栽培と塩作りオンリーという島の村です。でも、海だけはチョー綺麗です。」



c0223443_1349073.jpg「先ほどもお話ししましたが、我が国の教育における最近の小集団指導習熟度別指導の究極の姿を求めて、国から科学研究費助成を受けて毎月1泊2日で粟国へ通っています。何も知らない人は羨ましがるのですが、ただの田舎で単なる仕事ですから、私のことや科学研究費の制度を誤解しないでください。(笑)


ちなみに島へ行くには飛行機の乗り継ぎになります。特に那覇から粟国への飛行機は、9人乗りのジェットコースターのようなスリリングな乗り物で、怖すぎて笑えます。」



石井先生、ありがとうございました。


さて、次回、この粟国島の珊瑚と貝殻がどのようなものに化けるか、乞うご期待です。
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by bunkyo_warashibe | 2012-01-25 13:52 | 教育学部
今回で第8回目を数え、大学内でもようやく認知されてきたこの企画。更新のペースが上がらないのは相変わらずです。(どうもすみません。)編集活動に人手不足は否めませんが、「わらしべ広報プランナー研究室訪問記」の第8回はこの人です。


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栗加 均 准教授
(くりが ひとし)


【所属】教育学部 学校教育課程

【専門領域】道徳教育、生徒指導、
        教師論



◎前職は中学校教員

005.gif 中学校の先生という経歴をお持ちですが…。

「ええ、千葉県で長い間、教員をしていました。教科は数学でした。でも専門は道徳教育の授業を担当していまして、人権教育とか、生徒指導の主担当でした。」

018.gif それでは、専門分野と言いますと。

「はい。道徳教育、人権教育、生徒指導になります。あと、授業以外では、自分の経験を生かして、教員採用試験対策の講座などにも、力を注いでいます。」

025.gif 道徳教育は教職科目でも必修ですが、具体的に分かりやすく説明すると、どんな科目ですか。

「道徳は、わかりやすく言えば、一人一人が今日よりも明日、明日より明後日と、良い日になるように、より良く生きていくために、どうしていけばいいかということを考えていくことです。みんながみんな、そのように考えていくことが住みよい世の中になるということで、とても大事なことです。それが今、小学校ではよくやってくださっていますが、中学校では道徳の授業を小学校ほど、機会を設けることができていないのが現状です。なので、文教の学生には教員になったら、『みんなで道徳の授業をやろうね』といつも話しています。そのことで道徳教育の機会が増え、良い世の中になっていければとても良いことだと思っています。このことは、私が文教大学に着任してきた動機でもあります。」


◎すべての基本はあいさつから

c0223443_1515891.jpg001.gif 今、お話にも出てきました文教の学生について、どのような思いがありますか。

「ええ、教育学部の学生に限らないのですが、誰もが気軽にあいさつが交わせるようになると良いなあと思っています。このことは、私が文教大学に来て大事にしたいと思っていることなのですが、私は学生に会うと極力あいさつをするようにしていて、学生からもあいさつされるとあいさつを返すようにしています。そういうことが文教大学の近隣の住民の方たちにも広がっていくと、地域に根ざして教員養成の大学としても、とても良いことだと思います。」

003.gif あいさつは人付き合いの基本ですよね。どんなにすばらしい広告よりも、実際に文教の学生さんがあいさつをして、自分の大学について語ってくれたら、これに勝るものはありません。我々広報マーケティング室が目指す広報マインドの醸成はそういうところから始まっていくものなのですね。

「その第一歩があいさつかなと思います。そうは言っても今の若い人は小さいときから『見知らぬ人と話してはいけない』というようなしつけを受けてきているので、なかなかそれができないのです。やがて教員として社会に出て行く学生たちなので、あいさつの輪をしっかり広めてほしいと思っています。幸い、私は教育学部だけでなく、人間科学部や文学部の授業も担当しているので、ことあるごとにそういう話をしていきたいと思います。また、大学の先生方も含めて全体的にそういう輪が広がっていくと良いなあと思っています。」


◎文教大学の教員養成の魅力

c0223443_16141965.jpg034.gif 話が少しそれるかもしれませんが、文教大学の教員養成の魅力は何でしょうか。

「やっぱり、実践的なことでしょうかね。文教大学には教員養成を目的とした様々な体験プログラムがあって、普段からボランティアなどで、早い人で1年生の時から、自分で進んで学校現場に入ってお手伝いなどをしています。学生たちは、その学校の中で多くの活動する場面をいただき、教育現場やそこで働く先生の姿を見て、頭だけでなく実際に身をもって体験することができます。文教の教員養成の一番の魅力は、そういうところではないかと思います。

なので、私は小学校の教育実習時の研究授業を見せてもらうと、下手な新採用教員よりも授業が上手かったりする学生もいます。それは学校現場が長かった経験から言えることですが、そういう点からすると、文教でやっていることは非常に実践的だなと思います。」



◎最近の研究テーマは、「道徳の授業の方法論」

c0223443_16172655.jpg037.gif 最近、先生が研究されていることはどんなことですか。

「特に今、考えているのは、小中学校における道徳の授業の方法論です。学校現場では、道徳の授業をなかなか進んでやれない、または、やりたいけれど何をすればよいのか、わからないというのが実際の先生方の悩みです。私は、年間かなりの日数を割いて、全国各地の小中学校を校内研修や講演という形で訪問する機会があります。最近、心がけているのは、実際に生徒や児童を前に、私が授業を実践し、先生方が見ているところで、こんな風にしてやったらいかがですか、というように提案させてもらったりしています。研究テーマというと、多少大きくなりますが、そういう授業の方法論を一つ一つ確立するということが今の私が一番力を入れていることです。実際に授業をやらせてもらって、本当にそれが子どもたちに対して効果が上がる方法なのか、道徳性が高まったのか、道徳的実践力がついたのか、ということを検証し、教師も子どもたちも楽しいと思えるような、やりたくなるような授業をどうすべきか、実際に効果があるかということを研究し、ついこの間も論文にまとめたところです。」

025.gif 今の道徳の授業は、授業時間数が限られていて、教科教育の授業に押されてしまっている感じがしますよね。

「そうですね。中学校は特にそうかもしれません。だけど、道徳教育に力を入れている学校は学力も上がるということがわかっています。逆に勉強にばかり力を入れている学校は道徳力が上がるかと言えば、それは必ずしも言えないこともわかっています。このことは私の長年の経験も含め、いろいろな方の研究で確認されています。」

018.gif 道徳が軸になって、他の教科の勉強にも生活全体にも良い影響を与えるということですか。

「そうです。全般に関係することなので、あいさつや基本的生活習慣もそうですが、そういうところから真実の追究など、道徳の価値を求めていくことがあり、勉強につながっていくこともあると思います。良い大人になるとか、犯罪を起こさないようになるとか、子どもたちのこれからの人生において根幹となるものだと思います。」

043.gif 実際の学校現場では、道徳の授業はどのように行われているのですか。

「道徳の授業は週に1時間ありますが、広い意味での道徳教育は、それ以外にも様々な場面で行われています。朝の登校時には、『おはよう』と言える子どもたちになってほしいわけですし、給食時のマナーもそうですし、元気のない子がいれば励ましてあげようだとか、すべてが実践の場になります。週1時間の道徳の授業時間の中では、そういう日常生活に起こりうる事象について、あいさつの大切さだとか、友達への思いやりや優しさだとか、正義だとか、いじめをなくすことだとか、テーマを決めて集中的に一つ一つ取り上げます。それらをいろいろな資料を読み、話し合いをして、子どもたち自身がその一つ一つについてより深く理解できて、次の行動から意識してつながっていくことが道徳の授業の目的なのです。」


◎お宝はなんですか?

003.gif それでは、お宝を紹介していただけますか。

「はい。私のお宝は、道徳の授業で持ち歩いている教材でして、研究室では大きすぎてお見せできないので、教室に移動しましょう。」

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「実際にこれは授業でも使っているものなのですが、教材なのですよ。教材。」

「病院の重症患者のベッドルームの光景です。
物語は、窓際に位置するヤコブという人がカーテンに隠れた窓の外の光景を他の患者に話してくれます。『花売り娘がやってくるよ』とか『子どもたちが元気に遊んでいるよ』とか様子を話してくれます。そうすると、だんだん他の患者も窓際に行ってカーテンの外の光景を見たいと思うようになります。死が近づいてますます窓際のベッドに行きたいと懇願するすぐ隣の患者にヤコブは拒否します。
やがてすぐ隣の患者が亡くなり、ヤコブも遂には亡くなります。やっとの思いで今までヤコブが寝ていたベッドに最後の患者がたどり着いて、カーテンの外の光景を見てみたら、冷たいレンガの壁であった、というものです。」


c0223443_16265673.jpg「これには大学生も絶句します。それで、『この壁に何が見えますか?』という話をします。そうすると、小中学生は『ヤコブの思いやりが見える』とか『ヤコブの優しさが見える』と言ってくれます。ときには『ヤコブ自身の醜さが見えた』などというショッキングな意見を言ってくれる子どももいます。また、物語に感情が入り込んでしまって、『自分の嫌なところが見えた』という子どももいます。」

005.gif これは先生が製作したものですか。

「いえいえ。中学校の現場にいたとき、美術科の同僚の先生にこの教材の資料を見せて、『これで授業をやりたい』と言ったら、作ってくれました。」

「これが私の宝でして、日本中の小中学校に持ち歩いて授業に出かけています。飛行機に搭乗するときも肌身離さず、手荷物として機内に入れてもらいます。」


037.gif でも、こんなに大きいと、搭乗を断られませんか。

「ええ。実際にそういうことがありました。小松空港に行くときに、羽田空港でチェックインしたら、大きいので貨物室へという案内をされたのですが、授業の教材で使うということと、何よりも代え難い宝物だということが客室乗務員の方に情熱として伝わったのか、快く客室内に置くスペースを乗客3人分も確保してくれました。それ以来、青い翼の航空会社を指定して全国を旅しています。これとのつきあいもかれこれ10年以上になります。」


◎恒例! わらしべの交換です。

c0223443_16331038.jpg003.gif それでは、わらしべの交換をさせてください。まず前回の国際学部の阿野先生からのブックスタンドです。

「ありがとうございます。さっそく読書のときに使わせていただきます。」




c0223443_1636987.jpg010.gif では、栗加先生のものはなんでしょうか。

LED読書ライトです。読書ネタが続きますが、季節を考えてこれにしました。」

003.gif 先生、どうもすみません。こんなに奇麗にラッピングまでしていただいて、次の方はたいへん喜ぶと思います。

栗加先生、どうもありがとうございました。 029.gif

次回、このLED読書ライトがどのようなものに化けるか、乞うご期待です。
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by bunkyo_warashibe | 2010-10-21 16:39 | 教育学部
年末年始で間隔があきましたが、「わらしべ広報プランナー研究室訪問記」の第2回はこの人です。

c0223443_1232026.jpg会沢 信彦 准教授
(あいざわ のぶひこ)


【所属】教育学部 心理教育課程

【専門領域】教育相談・生徒指導
        ・カウンセリング



◎専門領域は、「教育相談・生徒指導・カウンセリング」

会沢先生の専門領域の名称は、とても長い。
「学内では『教育心理学』なども担当科目になっているが、自分の専門としては、学問そのものとしての心理学とは考えていない。心理学を生かした教育ということで、『教育相談・生徒指導・カウンセリング』と言っている。だから、カウンセリングといっても人間科学部の臨床心理学科で研究・実践されているようなものではなく、あくまで教育に生かすためのカウンセリングである。」とその理由を語る会沢先生。

003.gif 「では、中学生から見ると『生徒指導』の先生の先生ということになりますね。」
と質問すると、人間科学部のカウンセリングとの違いについて、次のように話してくれた。

「人間科学部で実践されているのは、心理臨床という言い方をされているが、『心のケア』と言ってよい。私としては、むしろ『心の教育』であって、現場としては学校になる。所属が心理教育課程ということもあって、幼児教育・保育にも関心を寄せている。カウンセリングの本質は援助的コミュニケーションであり、普段のコミュニケーション自体が大事なのだと考えている。このことは、授業でもよく言っている。

心理臨床は主として治療を目的に週1回とかの頻度で面接を行うのに対して、教師や保育士が行うカウンセリングは時と場所を選ばず、普段のコミュニケーションが大切なのである。」
と表情は温和だが、熱を込めて弁じてくれた。


◎最近の研究テーマは、「アドラー心理学」

会沢先生は、この日のインタビューのために簡単なレジュメを用意してくれた。
「前回(椎野先生)のわらしべブログを参考にまとめたのだけどね。」
と、とても親切な方である。

これを見ながら、最近の研究テーマについてお聞きすると、「アドラー心理学」についてお話ししてくれた。

c0223443_12125673.jpgアルフレッド・アドラー
(Alfred Adler, 1870.2.7 – 1937.5.28)
オーストリアの精神科医、心理学者。
個人心理学(Individual Psychology)の創始者。
「アドラー心理学」は、彼の名に因む。


「日本ではまだ馴染みが薄いが、アメリカ・カナダあたりでは、かなり盛んな心理学である。アドラーは最初、フロイトと共に精神分析を研究していたが、後にフロイトと袂を分かち、個人心理学(アドラー心理学)の分野を創始した。

フロイトの精神分析が人間の過去や無意識に影響されると説いたのに対して、アドラーは、人間の行動には目的があると説いた。極端に言うと、問題や病理があっても、人間は、元々何かしらプラスの目的に向かって動いている存在なんだという考え方である。フロイトは人間のネガティブな部分に焦点を当てたのに対して、アドラーは、むしろポジティブな部分に焦点を当てている人なのである。」
と、アドラーについて説明してくれた。

005.gif 「このレジュメを見ると、先生は、日本教育心理学会第51回総会(2009年9月、静岡大学)において自主シンポジウム『アドラー心理学による子ども・家庭支援』を企画されていますが、具体的にはどのようなものなのでしょうか。」
と伺うと、

c0223443_12163751.jpg「私がシンポジウムの企画と司会をして、シンポジストとして児童相談所職員、元小学校教諭、大学教員の3名の方をお招きした。

具体的に、アドラー心理学をどのように実践していたかというと、小学校の先生だった方は、クラス会議において、クラスで何か問題が起こったときに、子どもたちに、自分たちで話し合って、解決させるという方法をとっている。アドラーが目指す『共同体感覚』というものがあるが、自分は自分が所属している共同体の一員なんだと、クラスならばクラスの一員なんだ、という感覚のことである。

また、所属感だけでなく、もう少し進歩すると、自分はクラスのために何かできることがある、役に立つことがあるという貢献感に気づくようになる。おそらく、そういうクラスは、お互いに子どもたちが、金子みすずの『みんなちがってみんないい』ではないが、みんなが認め合えるような相互尊敬の関係で成り立っている。

アドラーはそういう社会を造りたいと考えていた。つまり、アドラー心理学における教育やカウンセリングの目標は『共同体感覚』を育てることなのである。

このことは、従来から日本の教育現場においても実践されてきていることである。それに別な側面から光を当ててくれているのがアドラー心理学だと考えている。」
と、とても具体的に、アドラー心理学のシンポジウムについて話してくれた。

034.gif 現在は、成果主義偏重に見られるように個人の自立が大事だと考えられているが、最近、会社でも社内運動会が復活しているように、そういう点では、アドラーでいう共同体感覚や協力、チームワークというものが見直されてきている。大不況の世相に合った望ましい考え方だと言える。

018.gif 「共同体感覚はいわゆるコーチングと似た考え方ですよね。」
と質問すると、

「今、世の中ではカウンセリング人気はやや下火であるのに対して、ビジネスの世界では、特にコーチングが伸びている。しかし、この両者のやっていることは、実はそれほど違わない。」とうなずいて、

「カウンセリングの中でも、私の恩師の1人である國分康孝氏(東京成徳大学副学長、日本教育カウンセリング学会理事長)は、心理臨床でいうカウンセリングを『治すカウンセリング』、教育でいうカウンセリングを『育てるカウンセリング』と言っているが、その『育てるカウンセリング』はコーチングとほぼ同じと考えて間違いない。」とさらに付け加えてくれた。

c0223443_12191027.jpg会沢先生は、講義・研究・学生指導・校務のほかに、所属する学会も多数に上る。年齢的にも所属学会の役職が持ち回って、現在、「事務局長」という名のポストだけでも3つもあるという。その中でも日本カウンセリング学会(会員数約5,500名)第43回大会が越谷校舎において今年の9月に開催される予定である。
034.gif ここでも、会沢先生は別の忙しい顔を持つ。

また、本学の生涯学習センター主催の「子育て支援カウンセリング講座」でも他の講師と共に企画運営および講義を担当しているが、現役の保育士や幼稚園教諭を対象に実施し、毎年80名前後の参加があり、その講義内容は、受講者の満足度も極めて高い。


c0223443_12202444.jpg◎お宝を見せてください!

「私のお宝は『トムとジェリーのぬいぐるみ』

前任校(函館大学)に赴任したときに、家の目の前にみちのく銀行があって、口座開設キャンペーンの抽選に当選して、いただいたものである。みちのく銀行のあべさんが持って来てくれた。」
と、うれしそうに話してくれた。

034.gif 現在は研究室のロッカーの上にあるこの大きなぬいぐるみ、学生諸君も一見の価値ありである。



c0223443_12252018.jpg◎わらしべの交換

最後に、わらしべの交換の儀式になった。

前回、【将棋の扇子】が
【見ることの社会学定規】に換わった。

そして、今回は、会沢先生からは、これを戴いた。


c0223443_12275235.jpg函館税関マスコット
「カスタム君」ストラップ


「これも前任校ネタだが、講演で函館税関に行ったときの記念に戴いたものである。」

034.gif 茨城出身の会沢先生だが、前任校での思いも大切にされている研究室だった。


このカスタム君ストラップがどんなものに化けるか、
次回も乞うご期待です。

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by bunkyo_warashibe | 2010-01-12 12:54 | 教育学部