文教大学広報マーケティング室の広報プランナーが毎回、キャンパスの研究室等を訪ね、そこの教職員の専門分野や研究テーマを伺いながら、その方の人柄を中心に紹介します。またその名の通り物々交換もします。


by bunkyo_warashibe
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2009年12月にスタートしたこの企画も今回で6学部目を数え、大学の学部としては、ようやく一巡になります。内外からの反響も大きく、次回を催促されるばかりですが、2週間に1回の更新ペースと意気込んでいた目標も、どうやら1ヶ月に1回をどうにかこなす程度で落ち着いてきました。そんなわけで、「わらしべ広報プランナー研究室訪問記」の第6回はこの人です。

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鷲麗美知ゾラナ 准教授
(わしれびっち ぞらな)


【所属】文学部 英米語英米文学科

【専門領域】第二言語の習得
        応用言語学


◎「鷲麗美知」という漢字表記の由来は?

003.gif 文教大学の着任は去年の10月からということでしたが、、、。

「ええ、まだ分からないことも多いですが、文教大学の雰囲気はとても暖かくていいですね。大学での学生の仲は友だちが多くて、授業以外でも一緒に集まっていて、他の大学にはない雰囲気があります。学生の輪に入って話を聞くのはとても楽しいです。
また、文学部は英語の教員を目指している学生が多く、まじめにがんばっています。」



005.gif ところで、先生の名前の「鷲麗美知」という漢字の表記ですが、何か考えがあったのですか。

「たぶん考えがなかったのだと思います(笑)。
私は1年前に日本に帰化したとき、アルファベットが使えないので、カタカナ表記にするか、日本人の姓に変えるか、いくつかの選択肢の中から決めなければなりませんでした。そこで、漢字をどこかに入れたいと思っていたのですが、名前のほうはよい漢字が思いつきませんでした。そこで『ワシレビッチ』を漢字にしようと思ったのですが、適当に私が綺麗だと思った漢字を入れてみて、『鷲麗美知』にしました。一度決めてしまうと改姓ができないので、今はサインがとても大変です。特に『鷲』『麗』は画数が多く、ワープロ表記は同じ大きさで表示できますが、実際にサインするときは『鷲』と『麗』が大きくなってしまいます。反対に『美』『知』が小さくなってしまい、アンバランスなサインで困っています(笑)。」



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025.gif このブログのテーマでもある≪わらしべ長者≫はご存知でしたか。

「今回、お話をもらって初めて知りました。アイデアはとてもいいですね。でも私が用意しているものが相応しいかは別ですが(笑)。」


034.gif この≪わらしべ長者≫はいわゆる日本の民話、昔話です。不遇な男が夢に出てきた観音様のお告げで、『家を出て最初に手にしたものを大事にしなさい』と言われ、それを信じて、拾った「わらしべ」にアブを括り付け、それが物々交換で「みかん」→「反物(着物の生地)」→「馬」→「屋敷」となり、一生「長者(お金持ち)」として暮らしたとさ。という内容です。

025.gif 本学の場合、意外(?)に、この物語のように等価交換と商談で、なかなかいいものに化けていきませんが(笑)。まあ、今の日本の経済状況を反映してのことでしょうか。しかし、今回の先生がご用意していただいたものを拝見して、少しホッとしています。

「そう言っていただけると、こちらも安心します(笑)。」


042.gif 大学の教員紹介誌を拝見しました。全文英語で判読するのに苦労しました(笑)。
日本語と日本文学を最初に勉強されたのは母国のベオグラード大学ということですが。

「そうです。大学の専門は日本語でした。それで留学生として日本に来ました。大学時代は英語をアルバイトで教えていて、それが教職の始まりだったのですが、留学時代の日本でも最初はアルバイトで英語を教えました。日本に留学して、もう少し日本に住みたいと思ったので、結局、キャリアになって大学院でも英語で、応用言語学を専攻しました。」


017.gif 大学時代は日本文学では、どのようなものを勉強されたのですか。

「ユーゴでは、日本文学はほとんど知られていません。なので、私が勉強したのは、『古事記』『枕草子』をはじめ、近代文学までやりましたが、原文ではなく、語訳されたものを読みました。日本語もゼロから始め、現代語訳されたものも読みました。」


007.gif 私も興味から「古事記」や「日本書紀」を読んだことがありますが、現代文に近づけてやさしく書いてあるものでも、今の日本人にはなかなか読めません。

「昔のことが思い出されて、ちょっと懐かしいですね。」


018.gif その当時に読まれたもので、今でも好きな日本文学はありますか。

「谷崎潤一郎の『細雪』は4人姉妹が出てきて、楽しかったですね。夏目漱石も読みました。

そんな中で、私はそれらの文学を読んでいて、日本語の音に大変興味を持ちました。ヨーロッパの言語と全く違います。例えば、ヨーロッパの言語ではイタリア語とフランス語は話せなくても、意味として聞こえるのです。それと比べると、日本語の音は本当に不思議に聞こえました。聞いていて楽しかったですね。」



◎専門領域は、第二言語の習得。

c0223443_1113212.jpg003.gif それでは、先生の専門領域について教えていただけますか。

「専門は『第二言語の習得』ですが、その中で、語彙の習得法について研究しています。例えば、どういうふうに効率的に単語を覚えるか、それを何かに使えるようにするにはどのように勉強すればよいか、native language(第一言語)の影響などが専門領域です。」


027.gif 第二言語というのは、日本人にしてみれば、日本語がnative languageで、小中学校で習い始める英語のような言語が第二言語ということですか。

「そうです。母国語ではない、追加言語がそれに当たります。第二言語の習得には第一言語の影響が多分にあります。何年も勉強しても『読む』『聞く』はできても『話す』はなかなかできないのはなぜか、またそれをどのように克服するか、そういうことを研究しています。」


025.gif 第二言語の習得には第一言語の影響が多分にあると仰いましたが、その国民の母国語によって相当違うものですか。

「そう、違います。違います。
例えば、近い言語でいうと、イタリア語と英語はラテン語の影響が大きいですから、似ている言葉も多いですし、意味を想像することができます。それに対して、日本語は英語とは地域文化圏が離れていますので、使い方が少しずつ違います。生活の時間帯一つにしてもそれぞれの国民性により夕方を午後5時からと解したり、午後7時からと解したりします。個人差もあるでしょうが、異なることが当たり前なのです。

また、日本語には外来語として英語の単語が入っているものがあります。例えば、『スキンシップ』という言葉あります。日本では『肌と肌とのふれあいによる心の交流』と解します。英語のように聞えますが、実際には英語でそういう単語はありませんし、通じません。



018.gif いわゆる和製英語というものですね。

「そうです。このほかにも『シャンプードレッサー』という単語があります。引越し先で『シャンプードレッサー』が付いていると、不動産屋さんから伺いましたが、そういう単語は英語にはなく、何のことだか、大変戸惑いました。

そんな中で、私がいちばん力を入れているのは、学生が単語を使えるようにするということです。英語はいくら単語の意味を辞書で調べても、前後の単語のつながりも含めて憶えないと文書にならないです。例えば、『karate(空手)』という単語がありますが、授業でkarateの前の動詞を聞いたところ、誰もなかなか答えられませんでした。授業でどのように問題提起するか、いつも考えています。」



◎最近の研究テーマは、「スポークン・ボキャブラリ」

c0223443_11235579.jpg003.gif 最近、先生が研究されていることはどんなことですか。

「今は、単語彙スピーキングですね。今までは、ほとんどの研究がリーディングかライティングでした。学生が話しているときに、どのような言葉を使っているのか、正しく使っているのか、そのようなことの検証を研究テーマにしています。」


027.gif 具体的にはどのようなことですか。

「今でもボキャブラリのテストがあります。どれぐらい知っている単語があるかによってレベルが測られますが、それはだいたいライティングによるものでした。これからやりたいのは、学生が話しているときに出ている言葉を分析して、使われた単語とテストにあわせて学生のスポークン・ボキャブラリを測りたいと考えています。大学生のレベルでどれぐらいのスポークン・ボキャブラリがあるのか、その語彙数を検証したいと思っています。

結構、時間が掛かる作業です。学生が話す言葉を録音、再生、聞き取り、そして分析をしなければなりません。今の担任している学生が卒業する前に何とかしようと思っています。」



004.gif また、教員紹介誌の話ですみませんが、ウインドサーフィンをやられると書いてありましたが。

「ウインドサーフィンは昔からやりたかったのです。2年前にレッスンを受けて、主に江ノ島でやっていて、一番楽しいスポーツです。問題は道具を揃えるのはまだいいですが、それを保管しておく場所がないことです。なるべく夏には海に出かけたいと思っています。」


016.gif サルサもやられるそうですが、踊りのサルサですよね。

「ええ、これも2年前からやっていて、これは1年中できます。ちょうど博士論文も書き終えたところだったので、時間的に余裕ができたこともあり、ウインドサーフィンといっしょに始めました。一年中、単純に楽しいですね。ラテン系の踊りで、結構難しく、インストラクターの先生にいつも怒られています。学生の気持ちがよく分かります(笑)。


◎お宝はなんですか?

c0223443_12152988.jpg037.gif それでは、お宝を紹介していただけますか。

「これは小学校のテストに合格したときにお母さんに買ってもらった犬のぬいぐるみで、それ以来、30年間、この子と共にいろいろな国に行きました。お母さんが何度も洗濯機に入れて洗ってくれて、この子にしてみれば大変な目にあったと思います。
c0223443_12161198.jpg犬が本当に好きでしたが、ユーゴではマンションに住んでいて、お母さんが犬を飼うことに反対だったので、この子が代わりにやってきたのです。子どもの頃は、茶色の耳が犬の大事な条件で、今はそのこだわりが私にも理解できませんが、お母さんはいろいろなデパートを回って、やっとのことで探し当てたそうです。」


043.gif 今は動物の犬を飼っているのですか。

「残念ながら、仕事も忙しいですし、サルサの教室もありますので、余裕がありませんが、いつかは飼ってみたいものですね。」


◎恒例! わらしべの交換です。

c0223443_12225512.jpg003.gif わらしべの交換をさせてください。まず前回の健康栄養学部の秋吉先生からの青いビンです。

「このビンは本当に綺麗ですね。綺麗な花を飾りたいと思います。研究室が華やぐと思います。ありがとうございます。」



c0223443_12252392.jpg038.gif では、鷲麗美知先生のものはなんでしょうか。

「周りにわらしべに相応しいと思うものが見当たらなかったので、ITOYAのフォトアルバムにしました。このわらしべの企画のように心の繋がりと思い出が増えればと思いまして。」


鷲麗美知先生、ありがとうございました。 029.gif

次回、このフォトアルバムがどのようなものに化けるか、乞うご期待です。
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by bunkyo_warashibe | 2010-07-12 11:29 | 文学部